2026年8月10日、月曜日。広島は朝から快晴——雲ひとつ探すのに苦労するような、真夏らしい青空でした。この日お伺いしたのは広島市安芸区。ご依頼は、先週いただいた一本のお電話から始まりました。お電話をくださったのは、10年ほど前に仕事関係でご縁のあった方でした。
お預かりしたのは折りたたみコンテナ(オリコン)6箱——内訳は映画関係4箱、ミリタリー・模型関係2箱。上島春彦『血の玉座 黒澤明と三船敏郎の映画世界』(作品社)、野上照代『天気待ち 監督・黒澤明とともに』(文藝春秋)、井上英之『検証 ゴジラ誕生 昭和29年東宝撮影所』、鈴木敏夫『映画道楽』、『淀川長治のシネマトーク』——そして『ミリタリーコレクション3 ティーガー重戦車 パート1』、河野嘉之『プラモデルエアブラシテクニックガイド』(新紀元社)。玄関先に、きれいに平積みで用意してくださっていました。
この記事でわかること
・2026年8月10日、快晴の広島市安芸区での出張買取の記録(オリコン6箱)
・10年ほど前に仕事関係でご縁のあった方が、記憶を頼りに検索してご連絡くださった経緯
・玄関先での第一声「やっぱりあってたわ」——当時の懐かしい話で盛り上がった時間
・黒澤明と三船敏郎をめぐる評論書・回想録(『血の玉座』『天気待ち』)の性格
・『検証 ゴジラ誕生 昭和29年東宝撮影所』という、制作現場に踏み込んだ一冊
・鈴木敏夫『映画道楽』・川本恵子『魅惑という名の衣裳』——「作る側」から映画を語る本
・『淀川長治のシネマトーク』・川本三郎『マイ・バック・ページ』——「語る側」から映画を語る本
・ティーガー重戦車(Sd.Kfz.181 Pz.Kpfw.VI Ausf.E)の資料本と、エアブラシ技法書の評価の考え方
・映画4箱は奥様、ミリタリー2箱はご主人——ご夫婦それぞれの蔵書が並んでいたこと
・積み込みのあとにいただいた冷たいお茶とコーヒーのこと
先週のお電話——「たしか呉の方だったような気がして」
先週、事務所の電話が鳴りました。受話器を取ると、10年ほど前に仕事関係でご縁のあった方からのお電話でした。お話を伺っていて、こちらが胸を突かれたのは、どうやって当店を見つけてくださったかという経緯です。
「本を整理しようと思って、あのとき名刺をもらった気がするんだけど見つからなくて。
でも、たしか呉の方だったような気がして——
それでインターネットで探してみたら、ホームページが出てきたのよ」
10年前の記憶の中に残っていたのは、「呉」という地名だけだった、ということです。屋号も、電話番号も、担当者の名前も手元にない。あるのは「たしか呉の方だった」という手がかり一本。それを頼りに検索して、当店のホームページにたどり着いてくださった——お話を聞きながら、「10年、同じ場所で同じ屋号で続けていて、本当によかった」と、思わず受話器を握り直しました。
当店は創業2006年、広島県呉市を拠点に営業してきました。20年のあいだ、屋号も、フリーダイヤルも、拠点も変えていません。屋号を変えない・電話番号を変えない・拠点を動かさない——これは商売の作戦というより、店の性格のようなものとしてそうしてきただけのことでした。それが今回、10年前のお客様の記憶を受け止める「受け皿」になっていた。ホームページを地道に整えてきた意味も、そこにありました。
ご依頼の内容は、映画関係と、プラモデル・ミリタリー関係の書籍とのこと。お伺いする日を8月10日の月曜日と決めて、電話を切りました。8月11日から16日まで当店は夏季休業——つまり、この日が休業前の最後の出張買取となる予定でした。
快晴の安芸区へ——東広島呉道路・熊野道路経由で
8月10日、月曜日。空は文句なしの快晴です。呉の事務所を出て、東広島呉道路から熊野道路を経由して安芸区方面へ——この夏、何度も走っているルートですが、晴れた日の山越えはやはり気持ちがいい。もっとも、車内の温度計は容赦のない数字を出していて、先日バッテリーを交換したばかりの9年目のハイエースのエアコンは、出発してすぐ最強のまま固定になりました。
安芸区は、呉から向かうと山を越えてすぐ——瀬野川沿いに住宅地が広がるエリアで、当店にとってはアクセスのしやすい、ありがたい地域です。この夏は7月25日にも引越しに伴う整理で安芸区にお伺いしていて、ひと月のあいだに二度、同じ区を訪ねることになりました。
お約束の時間より少し早めに到着し、ハイエースを停め、麦わら帽子代わりのタオルで汗を拭いてからインターホンを鳴らします。
玄関先の第一声——「やっぱりあってたわ」
ドアが開いて、顔を合わせた瞬間。お客様の第一声がこれでした。
「やっぱりあってたわ」
——10年前の記憶が、間違っていなかった。その確認が済んだ瞬間の、心底ほっとしたようなお声でした。こちらも顔を見て「ああ、あのときの」と記憶がつながり、そこからは当時の懐かしい話でひとしきり盛り上がりました。10年という時間で、お互いの仕事の環境も、この街のいろいろも、変わったところと変わらないところがあって——玄関先での立ち話が、思っていたよりずっと長くなりました。
古本屋の仕事は、初めてのお宅にお伺いすることの繰り返しです。そのなかで、「10年前に一度ご縁があった方」からもう一度呼んでいただけるということが、どれくらい嬉しいことか。査定を始める前の数分間が、この日いちばんの報酬だったかもしれません。(もちろん、お代はきちんとお支払いさせていただきましたが。)
そして、その足元。玄関先には、本がきれいに平積みで用意されていました。段ボールに詰めるでもなく、袋にまとめるでもなく、種類ごとに整然と積み上げられた本の山——お電話で「映画関係と、プラモデル・ミリタリー関係です」と伺っていた通りの、ジャンルごとにきっちり分けられた平積みです。——このきっちり分かれていた理由は、あとで伺って納得することになります。
この「平積みで待っていてくださる」段取りは、古書店側にとって本当にありがたいものです。1冊ずつ拝見しながらオリコンに詰めていく——その作業の効率が、驚くほど変わります。「オリコン6箱くらいですね」——ひと目の目算で、そう見立てました。20年やっていると、このあたりの見当はだいたい合います。
映画関係4箱——黒澤明と三船敏郎をめぐる二冊から
平積みの山を上から順に拝見していきます。映画関係の山で、まず手が止まったのがこの二冊でした。
ひとつは上島春彦『血の玉座 黒澤明と三船敏郎の映画世界』(作品社)。黒澤明と三船敏郎という、日本映画史でもっとも有名な組み合わせを、単なる名コンビ物語として語らない一冊です。二人の関係がどのように成立し、どこで変質し、なぜ『赤ひげ』を最後に途切れたのか——そこを、作品そのものの構造から読み解いていく評論。「玉座」という言葉が示す通り、権力と主従、支配と被支配というテーマを軸に据えているのが、この本の性格をよく表しています。
もうひとつは野上照代『天気待ち 監督・黒澤明とともに』(文藝春秋)。こちらは評論ではなく回想録です。著者の野上照代さんは、『羅生門』から『まあだだよ』まで、長年にわたって黒澤組の記録係(スクリプター)を務めた方。つまり撮影現場のいちばん近くにいた人の証言です。
この本の題名になっている「天気待ち」——黒澤映画の撮影現場で、望んだ空が来るまで何日も待つ、あの伝説的な粘りのことです。帯には井上ひさしさんの推薦文が入っていて、定価は本体1,857円+税——消費税表記から、ある程度の刊行年代も推し量れます。
この二冊が並んでいた、というのが面白いところです。『血の玉座』は外側から分析した黒澤明、『天気待ち』は内側から見た黒澤明。同じ監督を、まったく違う距離から書いた本を両方お持ちだった——ということは、「作品を観る」だけで満足しない読み方をされていた証拠です。
同じ監督について、評論と回想録の両方を揃えている。
これは「観るだけの人」の揃え方ではありません。
『検証 ゴジラ誕生 昭和29年東宝撮影所』——1954年の現場に踏み込む
続いて出てきたのが井上英之『検証 ゴジラ誕生 昭和29年東宝撮影所』。これも、映画好きの本というより映画史の資料として置かれるべき一冊です。
1954年(昭和29年)の『ゴジラ』——本多猪四郎監督、円谷英二特技監督、伊福部昭音楽。日本特撮の原点として語られ尽くしたようにも見えますが、この本が扱っているのは「作品論」ではなく「制作の実態」です。副題に「昭和29年東宝撮影所」と場所と年が明示されているのが象徴的で、あの年、あの撮影所で、誰が何をどう作ったのかを検証していく構成。
古書としての目線で言えば、この種の「検証・考証系」の一冊は、時間が経つほど価値の性格が変わってくる本です。刊行当時は「マニア向けの本」に見えても、証言者の方々が次々にご存命でなくなっていくと、それ自体が一次資料に近づいていく。特撮関係の資料本を拝見するときは、そういう見方をしています。
「作る側」から語る本——鈴木敏夫『映画道楽』と川本恵子『魅惑という名の衣裳』
平積みの三段目あたりから、映画書の性格が少し変わってきました。作り手が語る本です。
鈴木敏夫『映画道楽』——スタジオジブリのプロデューサーとして知られる鈴木敏夫さんの一冊。帯にはこう入っていました。
「よし、もう1本、作っちゃいましょう。」
この一行だけで、本の空気が伝わってきます。作品論でも制作論でもなく、「どうやってこの企画が動いたのか」という、生々しい現場の判断の話。宮崎駿・高畑勲という二人の監督と並走してきた立場から書かれたものですから、ジブリ資料としても、企画・プロデュース論としても読める本です。
そしてもう一冊、川本恵子『魅惑という名の衣裳 ハリウッド・コスチュームデザイナー史』(キネマ旬報社)。これは、映画関係4箱のなかでいちばん専門性の高い一冊だったかもしれません。
映画を語るとき、監督・俳優・脚本・音楽までは話題になります。でも「衣裳(コスチュームデザイン)」を主役に据えた通史は、そう多くありません。ハリウッド黄金期のスターたちの姿を作り上げたのは誰だったのか——スクリーンの上の「魅惑」を設計した職能の歴史を辿る本です。キネマ旬報社という版元も、映画専門書としての位置づけをよく表しています。
この二冊が並んでいたことで、映画関係4箱の輪郭がだいぶ見えてきました。「面白かった映画の本」だけでなく、「映画がどう作られるかの本」もしっかり入っている、ということです。
「語る側」から映画を語る本——淀川長治・川本三郎、そして一冊の絵本
四段目には、また違う顔の本が入っていました。
『淀川長治のシネマトーク』——「anan Cinema Talk」の名前が入った一冊。淀川長治さんといえば、テレビの映画解説で「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」のあの方。日本人にとって「映画を語る」ということそのものを教えた人と言っていい存在です。
淀川さんの語り口は、作品を解剖するのでも点数をつけるのでもなく、「この映画のここが好きなんです」と、惚れ込んだ理由をひたすら伝えるスタイルでした。『血の玉座』のような分析的な評論とは正反対のベクトルなのに、同じ4箱に共存している——ここに、この映画の蔵書の懐の深さがあります。
そして川本三郎『マイ・バック・ページ ある60年代の物語』(平凡社)。これは映画評論家として知られる川本三郎さんが、ご自身の1960年代後半——記者時代の経験を書いた回想です。のちに映画化もされた一冊で、映画書としてまとめられていながら、実質は時代の記録という性格を持っています。60年代末という時代の空気を、後から美化せずに書いた本です。
もう一冊、背表紙だけが見えていたのが『映画監督 溝口健二』。黒澤明・小津安二郎と並ぶ巨匠の名前です。黒澤・溝口・ゴジラ・ジブリ・淀川長治——こう並べてみると、戦後日本映画を語るときの主要な入口が、この6箱のなかにほぼ揃っていたことになります。
そして、映画書の山のなかに一冊だけ、まったく別の本が混ざっていました。ヨシタケシンスケ×又吉直樹『その本は』(ポプラ社)です。
「世界中の珍しい本の話を聞かせてほしい」と王様に頼まれた二人の男が、見つけた本の話を交互に語っていく——本についての本。映画関係の平積みに紛れ込んでいたのが、なんだかおかしくて、同時にとても似合っている気もしました。この4箱の主は、映画が好きな方である以前に、本そのものが好きな方だったのだろうと思わせる一冊でした。
ミリタリー・模型関係2箱——ティーガー重戦車とエアブラシ技法書
映画関係の4箱を詰め終えて、残りの平積みへ。ここからがミリタリー・模型関係の2箱です。
手に取ったのは『ミリタリーコレクション3 ティーガー重戦車 パート1』。表紙にはSd.Kfz.181 Pz.Kpfw.VI Ausf.E TIGER I と型式番号が並び、版元はkoei。第二次世界大戦のドイツ軍戦車のなかで、おそらくもっとも名前を知られている車輌の資料本です。
「ティーガーI(六号戦車E型)」——この一輌に、なぜこれだけ本が出るのか。ミリタリーモデラーの方には説明不要ですが、簡単に言えば「同じ型式のなかで生産時期ごとの差異がきわめて多い」戦車だからです。初期・中期・後期で転輪、砲塔、キューポラ、排気管カバー、防盾の形状が変わっていく。プラモデルで「いつの、どこの部隊のティーガー」を作るのかを決めた瞬間、資料本が必要になります。
だからこの種の本は、読み物としてよりも「作業台の横に置く本」としての需要があります。「パート1」という巻数表記からも、シリーズものの一冊であることがわかります。
そしてもう一冊が河野嘉之『プラモデルエアブラシテクニックガイド』(PLASTIC MODEL AIRBRUSH TECHNIQUE GUIDE、新紀元社)。こちらは資料本ではなく技法書です。
エアブラシ——コンプレッサーで圧縮空気を送り、塗料を霧状に吹き付ける道具です。筆塗りでは出せない均一な発色、微妙なグラデーション、退色表現(フェード)、迷彩のぼかし——こうした仕上げは、エアブラシがなければ成立しません。逆に言えば、エアブラシは買っただけでは何もできない道具で、希釈率、エア圧、吹き付け距離、重ね方といったノウハウが必要になります。だから技法書が売れる。
古書としての目線でいうと、模型の技法書は「古くなりにくい」ジャンルです。塗料の商品名や機材のラインナップは変わっていきますが、グラデーションのかけ方、マスキングの考え方、下地の作り方といった原理は、20年前の本でもそのまま通用する。当店で模型関係の書籍を積極的にお預かりしているのは、こういう理由もあります。
四箱と二箱——玄関先で並んでいたのは、ご夫婦それぞれの蔵書でした
オリコン6箱を詰め終えて、玄関先に並んだ箱を見ながら、そういえばと思って伺ってみました。映画の本とミリタリーの本、どちらもご主人のものですか、と。
答えは違いました。
「映画のほうは私の。ミリタリーは主人のよ」
——映画関係4箱が奥様の蔵書、ミリタリー・模型関係2箱がご主人の蔵書。ひとりの方の中で二つの趣味が同居していたのではなく、ご夫婦それぞれの蔵書が、この日たまたま同じ玄関先に並んでいたのです。
納得しました。そして、そう聞いてから箱を見直すと、平積みが「ジャンルごとにきっちり分かれていた」理由も分かります。あれは仕分けの手間をかけてくださったというより、もともと別の場所にあった別の蔵書だったからです。整理のタイミングが重なって、二人分がいっしょに出てきた——そういうことでした。
奥様の4箱は、黒澤明と三船敏郎、溝口健二、ゴジラ、ハリウッドのコスチュームデザイン、そして淀川長治。評論も回想録も両方ある、かなり本気の映画の蔵書です。「若いころからずっと好きで」と、少しだけ話してくださいました。『血の玉座』のような分析的な評論と、『淀川長治のシネマトーク』のような惚れ込みを語る本が同じ4箱に入っていた——その振れ幅は、長く映画を観てきた方のものです。
ご主人の2箱は、ティーガーIの型式資料と、エアブラシの技法書。こちらも性格がはっきりしています。「何を作るか」を確かめる資料本と、「どう塗るか」を身につける技法書——実際に手を動かす人の本の揃え方です。
おもしろいのは、それぞれ別の趣味なのに、どちらも「作られ方」に向かっているところでした。奥様の箱に入っていた『検証 ゴジラ誕生 昭和29年東宝撮影所』は、作品論ではなく1954年の撮影所で何がどう作られたかを検証する本です。鈴木敏夫『映画道楽』は企画がどう動いたかの話、川本恵子『魅惑という名の衣裳』は衣裳という職能の歴史。——完成品を眺めて終わりにせず、その裏側を知りたがる本ばかりでした。
そして特撮とミリタリーモデルは、そもそも技術的に近いところにあります。ミニチュアを作り、汚しを入れ、光を当てて実物大に見せる——特撮美術の仕事と、模型製作の作業は地続きです。
別々の蔵書、別々の趣味。それでも「作り手の技術に敬意を払う」という一点で、二人の本はどこか似ていた。——荷室に積み上げた6箱を眺めながら、勝手にそんなことを考えていました。
積み込み、そして冷たいお茶とコーヒー
オリコン6箱を、玄関先からハイエースまで運びます。快晴——ありがたいことですが、真夏の快晴は積み込みには容赦がありません。日差しの角度を計算しながら車を停めたつもりでも、開けた後部ドアから熱気が立ち上がってきます。
本の入ったオリコンは、見た目より重いものです。映画書のように判が大きく紙が厚い本は、1箱で相当な重量になります。腰の入れ方を間違えると一発でやられるので、20年やっていても、ここだけは丁寧に。積み込みの順番も、重い箱を下・車輪側に、軽い箱を上に——走行中に荷崩れを起こさないための基本です。
6箱を積み終えて、汗を拭いていると、お客様が家の中から出てこられました。
「暑いでしょう。冷たいの、どっちがいい?」
差し出してくださったのは、冷たいお茶とコーヒーでした。——正直に言えば、この一杯が、真夏の出張買取でいちばん体に効きます。冷えたグラスを持った瞬間に、それまで気づかないふりをしていた疲れが、まとめて出てくる感じがあります。
玄関先で少しだけまた話し込みました。「やっぱりあってたわ」——最初の一言をもう一度笑いながら言われて、こちらも笑ってしまいました。10年前の記憶が正しかった、という確認。それが今日の出張買取の出発点で、そして終着点でもありました。
お礼を申し上げて、次の買取先へ向かいます。この日はもう一件、東広島市でお約束が入っていました。安芸区からは、そのまま国道2号線を東へ——冷たいお茶とコーヒーで復活した体で、ハイエースのエアコンをまた最強にして、次の現場へ走らせました。
帰路の独白——そして8月11日から16日まで夏季休業をいただきます
東広島市での一件も終えて、すべての回収を済ませてから呉へ戻る道。荷室のオリコンから、たまに本のこすれる音がします。
この日は、夏季休業前の最後の出張買取でした。当店は2026年8月11日(火)から8月16日(日)まで夏季休業をいただきます。休業前の締めくくりが、10年前にご縁のあった方からのご依頼だったというのは、なんだか出来すぎた話のようで、けれど本当のことでした。
夏季休業のお知らせ
・休業期間:2026年8月11日(火)〜8月16日(日)
・営業再開:2026年8月17日(月)
・期間中もウェブからの買取お申込み・メールでのお問合せは受付しております
・お電話でのご返信、および出張日のご相談は、8月17日(月)以降、順次ご連絡いたします
・お急ぎのご依頼は、フォームの備考欄に「お急ぎ」とご記入ください
この記事を書いているのは休業初日です。今年の夏も、広島市内・呉市内・県東部まで、たくさんのお宅にお伺いしました。7月25日にも安芸区で引越しに伴う整理のご依頼をいただき、8月に入ってからは東広島の技術書・ビジネス書13箱——そして今回の映画とプラモデルの6箱で、ひと区切りです。
20年やってきて思うのは、「本の整理」というのは、たいてい何かの節目に起こるということです。引越し、定年、ご家族の整理、あるいは今回のように「そろそろ整理しようか」と思い立ったタイミング。その節目に、10年前の記憶を頼りに検索して、当店を選んでくださった——古本屋にとって、これ以上の仕事はありません。
映画・特撮・ミリタリー・模型関係の書籍、買取歓迎しております
当店では、今回お預かりしたようなジャンルの書籍を積極的に買取しております。
買取歓迎ジャンル(映画・特撮・模型関係)
・映画評論・監督研究——黒澤明、小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男ほか
・映画スタッフ・現場の回想録——スクリプター、撮影監督、美術、衣裳
・特撮関係——ゴジラ、東宝特撮、円谷プロ、ウルトラシリーズの資料本・ムック
・アニメーション関係——スタジオジブリ、ロマンアルバム、設定資料集
・海外映画・ハリウッド史——キネマ旬報社刊行の専門書ほか
・ミリタリー資料——戦車・艦船・航空機の型式資料、グランドパワー、丸ほか
・模型技法書——エアブラシ、塗装、ウェザリング、ジオラマ製作
・模型雑誌——月刊ホビージャパン、モデルグラフィックス、アーマーモデリングほか
これらは一般的な古書店で扱いに困りやすいジャンルでもあります。判が変わっていたり、雑誌扱いだったり、シリーズの巻数が揃っていなかったり。当店はそういう本の来歴を追うのが好きな店なので、まとまった量でも遠慮なくご相談ください。買取ジャンル一覧もあわせてご覧いただけます。
FAQ:映画・模型関係の書籍買取について、よくいただくご質問
Q1. 何年も前に一度お願いしたことがあるのですが、記録は残っていますか?
はい、当店は創業2006年以来、屋号・フリーダイヤル・拠点を変えずに営業しております。過去にお取引のあった方は、お名前とおおまかな時期をお聞かせいただければ、こちらで確認いたします。今回のお客様のように「たしか呉の古本屋さんだったと思う」という手がかりだけでも、お電話いただければ大丈夫です。屋号や担当者名を覚えていらっしゃらなくても、まったく問題ございません。フリーダイヤル0120-273-707までお気軽にご連絡ください。
Q2. 映画関係の本と模型・ミリタリー関係の本が混ざっていても、まとめて買取してもらえますか?
はい、ジャンルが混ざっていてまったく問題ありません。今回も映画関係4箱・ミリタリー模型関係2箱を一度にお預かりしました。むしろご自身で無理に分類していただく必要はございません。「映画関係とプラモ関係です」というくらいの大まかなお申し出があれば、こちらで1冊ずつ拝見しながら仕分けいたします。文庫・単行本・大型本・ムック・雑誌が混在していても、そのままの状態でご相談ください。
Q3. 模型の技法書は古いものでも値段がつきますか?
はい、模型の技法書は「古くなりにくい」ジャンルです。掲載されている塗料の商品名や機材のラインナップは年々変わりますが、グラデーションのかけ方、マスキングの手順、下地処理の考え方といった原理は、刊行から20年経った本でもそのまま通用します。同様に、戦車・艦船・航空機の型式資料本は、刊行年が古いほど貴重になる場合もございます。「もう古いから」とご判断される前に、一度ご相談いただければと思います。
Q4. 玄関先に出しておけば、家の中に入らずに買取してもらえますか?
はい、可能です。今回も玄関先に平積みでご用意いただいていたため、そのまま拝見してオリコンに詰めさせていただきました。お部屋に上がらせていただく必要はございませんので、その方がご都合のよい場合はお申込み時にお知らせください。もちろん、お部屋の中からの運び出しをご希望の場合も対応いたします(追加費用はいただきません)。逆に「どの本を出すか一緒に見てほしい」というご相談も承っておりますので、ご希望をそのままお伝えください。