先週、呉市内で段ボール6箱をお譲りいただきました。
本が入った箱とCDが入った箱は別で、あわせて6箱です。箱の中から一部をご紹介します。
拝見していて、はっきり見えたことがあります。幕末・明治維新です。会津、長州、水戸学、井伊直弼、横井小楠、新選組——時代がひとつに絞られている。しかも通史ではなく、藩ごと、人物ごとに分かれた本が並んでいました。
そしてもう一方の箱にはCDが入っていて、こちらは22枚を並べて撮りました。フュージョン、シティポップ、企画物。最後の1枚が山手線の車内放送だった——という日です。
段ボール6箱、詰めていただいた状態でお預かりしました
今回はすでに段ボールに詰めていただいた状態でのお引き取りでした。本の箱とCDの箱は分けて詰めてくださっていて、あわせて6箱です。
この形がいちばん早く終わります。分類していただく必要はありません。というより、分類しようとされると、そこで手が止まってしまうことが本当に多いのです。「これはどっちに入れるべきか」で悩みはじめると、片づけが進まなくなります。
当店にお知らせいただきたいのは箱の数と、置いてある場所だけです。それで車の手配とお時間の見積もりができます。中身はその場で1点ずつ拝見します。
詰めるだけ詰めていただければ、
あとはその場で1点ずつ拝見します。
ひとつだけ、お願いというよりご自身のために申し上げておきたいことがあります。本は詰めすぎると持てなくなります。大きい箱にいっぱい詰めるより、小さい箱に分けていただいたほうが搬出が早く終わります。とはいえ、ここも無理をされる必要はありません。詰めるところまでで結構です。
幕末・明治維新——会津、長州、水戸学、井伊直弼、横井小楠
箱を開けて最初に思ったのは、「この方は幕末をずっと読んでおられたな」ということでした。
並んでいたのは、たとえばこういう本です。
幕末・明治維新(一部)
・原田伊織『「明治維新」という過ち』
・母利美和『井伊直弼』吉川弘文館
・太田龍『長州の天皇征伐』
・星亮一『会津藩 斗南へ』
・堤克彦『「公」の思想家 横井小楠』
・吉田俊純『水戸学と明治維新』吉川弘文館
・家近良樹『幕末の朝廷』中公新書
・菊地明『新選組組長 斎藤一』
・今津浩一『ペリー提督の機密報告書』ハイデンス
お気づきでしょうか。視点がひとつに寄っていません。会津の側から書かれた本と、長州を批判的に見る本、井伊直弼の評伝、水戸学の研究、横井小楠の思想——幕末を別々の角度から読み直そうとしておられたように見えます。
古本屋として申し上げると、このジャンルはお声がけいただきたい部類です。理由があります。
会津や長州のように、特定の藩・地域に絞った本は、発行部数が多くありません。地元の出版社から出たものも含まれます。全国の書店に平積みされる本ではないぶん、読みたい方は古書で探すことになる。そういう構造のジャンルです。
今回のなかでいえば、堤克彦『「公」の思想家 横井小楠』や今津浩一『ペリー提督の機密報告書』のあたりは、書店で偶然見つける本ではありません。探して買われたのだと思います。
筑摩選書、中公叢書、解放出版社、ミネルヴァ書房
幕末の周辺に、もう一本の筋がありました。
学術寄りの単行本(一部)
・沖浦和光『宣教師ザビエルと被差別民』筑摩書房・筑摩選書
・ルシオ・デ・ソウザ/岡美穂子『大航海時代の日本人奴隷』中公叢書
・高山文彦『生き抜け、その日のために——長崎の被差別部落とキリシタン』解放出版社
・成松佐恵子『庄屋日記にみる江戸の世相と暮らし』ミネルヴァ書房・Minerva21世紀ライブラリー56
・渡辺尚志『武士に「もの言う」百姓たち——裁判でよむ江戸時代』草思社
・森茂暁『闇の歴史、後南朝』
・広瀬隆『持丸長者[戦後復興篇]——日本を動かした怪物たち』ダイヤモンド社
並べてみると、つながりが見えます。キリシタンと被差別民——沖浦和光と高山文彦が同じ箱に入っている。そして大航海時代の日本人奴隷。江戸の百姓が裁判で「もの言う」本と、庄屋の日記。
教科書に出てくる側からは見えない歴史——そこに関心が向いておられたのだと思います。幕末の本で「視点がひとつに寄っていない」と感じたのと、同じことでした。
版元でいうと、筑摩選書、中公叢書、解放出版社、ミネルヴァ書房、吉川弘文館。この系統は当店がお声がけしているジャンルです。学術寄りで、部数がそれほど多くない——そして必要としている方が確実におられます。買取ジャンルのページにも挙げておりますので、ご参考にしてください。
CDは22枚——フュージョン、シティポップ、そして企画物
本の箱とは別に、CDが入った箱がありました。並べて撮ったのが22枚です。
まずいちばん下の箱から書きます。山下達郎『OPUS オールタイム・ベスト 1975-2012』。箱入りの複数枚組です。背が厚いのでひと目で分かります。
それからフュージョン・シティポップの系統。
CD 22枚のうち(一部)
・山下達郎『OPUS オールタイム・ベスト 1975-2012』(箱入り)
・NANIWA EXPRESS『SCARLET BEAM〜BEST SELECTION〜』32DH-349
・岩崎元是&WINDY『HEART WASH』
・VOCALAND 2 〜Male, Female & Mellow〜(角松敏生プロデュース)CTCR-19000
・本田美奈子 CA32-1225
・米米CLUB『HARVEST』
・槇原敬之『"SMILING" THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA』
・楠瀬誠志郎『Seven Winter Songs』SRCL-4151
・MOBY『PLAY』/フィル・コリンズ『ベスト・オブ・フィル・コリンズ』
・FIELD OF VIEW『SINGLES COLLECTION+4』ZACL-1043
NANIWA EXPRESSの品番が32DH-349、CBS/SONYの古い規格番号です。岩崎元是&WINDYもそうですが、この系統は当時そう売れた盤ではありません。それが今になって探されています。
VOCALAND 2は角松敏生プロデュースの企画物です。品番CTCR-19000、定価2,900円の表示が残っていました。こういう企画物は、廃盤になると探しにくくなります。
そして80年代のアイドル系も入っていました。南野陽子『GATHER』、中山美穂『Hide 'n' Seek』『CATCH THE NITE』、沢口靖子『春よ来い』、佐野量子、伊藤麻衣子、西村知美、杉浦幸『First』、荻野目洋子『ラズベリーの風』、中森明菜『The Songs』。
品番を見ると32XL、32FD、30DH、R32H——CD初期の規格番号です。80年代後半にCDで出て、その後再発されないままになっているものが含まれています。
22枚目が、山手線の車内放送でした
並べ終えて、1枚だけ毛色が違うものが残りました。
JR東日本 山手線 車内&駅ホーム 自動放送 完全オリジナル音源集。株式会社テイチクエンタテインメントです。
音楽ではありません。
山手線の、車内と駅の放送です。
正直に申し上げると、これがいちばん面白かったです。「完全オリジナル音源集」と入っているのがいいところで、録音したものではなく、放送に使われている音源そのものということです。
こういうものが、たまに箱から出てきます。鉄道の音、駅の放送、発車メロディ——探しておられる方が確実にいる分野です。そしてプレス数が多くありません。書店やCDショップで大量に並ぶ商品ではないからです。
音楽CDではないから対象外だろう——と思われて処分されることが、おそらくいちばん多いジャンルだと思います。落語、講談、朗読、詩の朗読、教材、鉄道の音、環境音。当店はこのあたりも拝見します。
今回の6箱は幕末の本が核で、CDはフュージョンと80年代、そして最後に山手線。6箱をまとめて拝見すると、その方の関心が全部見えてくるということが、こういうときによく分かります。
本とCDは、まとめてお引き取りできます
今回は本の箱とCDの箱が別々でしたが、分けてあっても、一緒に入っていても、どちらでも結構です。当店は一度のお伺いで両方お引き取りします。
ときどき「本屋さんだからCDは駄目でしょうか」とお尋ねいただきます。まとめて拝見します。業者を分けられると、片方が終わるまでもう片方が部屋に残ることになり、かえって手間が増えてしまいます。
また、箱ごとに分けていただく必要もありません。詰める段階で「本とCDを分けなければ」と考えはじめると、そこで手が止まります。入るものから入れていただければ結構です。
CDについては、ケースが割れている、ケースだけで盤が無いといったものが混ざっていても構いません。ケースは交換できます。それも含めて仕分けします。
歌詞カードが残っていれば、そのまま入れておいてください。ただ、無いから外すというわけではありません。本やディスクの保管と劣化については別記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。
お知らせいただきたいのは、箱の数と場所だけです
段ボールに詰めてある場合、事前に必要な情報はこれだけです。
お電話でお知らせいただきたいこと
・箱の数(今回は6箱)
・置いてある場所(何階か、エレベーターの有無)
・だいたいの中身(「本とCD」程度で十分です)
・ご希望の日程
中身の内訳は分からなくて構いません。「歴史の本が多いと思う」くらいで大丈夫です。出張買取のご案内もまとめておりますので、はじめての方はご覧ください。
そして買取にならなかったものも、ご希望であれば無料でお引き取りいたします。箱を一度で空にできる、というのが古本屋にお声がけいただく実際上の利点だと思っています。
呉市内は当店の地元です——搬出のことも含めてお任せください
呉市内は当店がいちばん多くお伺いしているエリアです。今回の6箱も、お電話をいただいてから間を置かずにお伺いできました。
呉市でのお引き取りには、ひとつ特徴があります。坂が多いということです。玄関の前に階段がある、車を家の前まで寄せられない、集合住宅にエレベーターが無い——こういうお宅が少なくありません。
そのため当店は、お電話の段階で置いてある場所を先にお聞きします。2階なのか、階段が何段あるのか、車をどこに停められるのか。これが分かっていれば、当日の段取りがまったく違ってきます。台車を持っていくか、手で運ぶか、何往復になるかが読めるからです。
今回のようにすでに段ボールに詰まっていると、ここがとても楽になります。箱ごと積めるので、お部屋に出入りする回数が減ります。ご在宅のまま、玄関先で待っていただくだけで終わることも多いのです。
逆に、詰めていただかなくても構いません。本棚に入ったままの状態からでもお伺いします。その場合は当店が箱を持ってまいります。「箱がないから頼めない」ということはありませんので、そこはご心配なさらないでください。
呉市内であれば出張費・査定費・お引き取り費用はすべて無料です。呉市の古本買取のページに、これまでお伺いした実例をまとめております。買取実績もあわせてご覧いただけます。
とくにお声がけいただきたいもの
今回のご縁もあり、この周辺のジャンルを挙げておきます。
本
・幕末・明治維新(藩ごと、人物ごとのもの。地元出版社のものも)
・地方史・郷土史(会津、長州、水戸ほか。広島県内のものもぜひ)
・学術寄りの単行本(吉川弘文館、筑摩選書、中公叢書、ミネルヴァ書房、解放出版社など)
・専門書・学術書(発行部数の少ないもの、絶版のもの)
・人文書(岩波書店、みすず書房、筑摩書房などのシリーズ)
CD・レコード
・フュージョン、シティポップ(NANIWA EXPRESS、岩崎元是&WINDYのような系統)
・箱入りの複数枚組、ボックスセット
・企画物・プロデュース物(VOCALAND のようなもの)
・音楽以外の企画物(鉄道の音、駅の放送、落語、講談、朗読、環境音)
・廃盤で再発されていないもの(初期規格番号のもの)
いちばんお伝えしたいのは下の2つです。音楽以外のCDと廃盤のもの。これは対象外だろうと思われて処分されやすいところですので、箱に入れておいていただければ拝見します。
FAQ:段ボールでのお引き取りについて、よくいただくご質問
Q1. 段ボールに詰めた状態でも見てもらえますか?中身を分類しておく必要はありますか?
詰めたままで結構です。分類はしていただかなくて構いません。今回も段ボール6箱を、詰めていただいた状態のままお預かりしました。箱から出して、その場で1点ずつ拝見して仕分けいたします。
むしろジャンルごとに分けようとされると、そこで手が止まってしまうことが多いのです。「これはどっちに入れるべきか」で悩みはじめると片づけが進みません。詰めるだけ詰めていただくのがいちばん早く終わります。
事前にお知らせいただきたいのは箱の数と置いてある場所だけです。それで車の手配とお時間の見積もりができます。なお本は詰めすぎると持てなくなりますので、大きい箱にいっぱい詰めるより小さい箱に分けていただけると搬出が早くなります。ただ、そこも無理をされる必要はありません。詰めるところまでで結構です。
Q2. 本とCDをまとめて引き取ってもらえますか?別々の業者に頼んだ方がいいですか?
まとめてお引き取りします。別々の業者に頼まれる必要はありません。今回の6箱は本の箱とCDの箱が別々でしたが、一度のお伺いで両方お預かりしました。箱の中で本とCDが混ざっている場合も同じで、分けていただく必要はありません。
業者を分けられると、片方が終わるまでもう片方が部屋に残ることになり、かえって手間が増えます。
CDについては、ケースが割れている、ケースだけで盤が無いといったものが混ざっていても構いません。それも含めて仕分けします。歌詞カードが残っていれば、そのまま入れておいてください。無いからといって外すわけではありません。
Q3. 幕末・明治維新の本は買取してもらえますか?会津や長州など地方史のものはどうですか?
はい、幕末・明治維新の単行本はとくにお声がけいただきたいジャンルです。今回の6箱もここが核でした。会津藩、長州、水戸学、井伊直弼、横井小楠、新選組と並んでおり、集めておられた方の関心がはっきり出ていました。
会津や長州のような特定の藩・地域に絞った本、地元の出版社から出た本は、発行部数が多くないものが少なくありません。全国の書店に並ぶ本ではないぶん、探しておられる方が古書で探すことになります。地方史・郷土史はそういう構造のジャンルです。
また今回は筑摩選書、中公叢書、解放出版社、ミネルヴァ書房、吉川弘文館といった版元のものが含まれていました。この系統の学術寄りの単行本も歓迎しております。呉市内は当店の地元ですので、出張費・査定費すべて無料でお伺いします。
Q4. CDはどんなものが評価されますか?ケースが日焼けしていても大丈夫ですか?
今回のCDでいえば、山下達郎『OPUS オールタイム・ベスト 1975-2012』のような箱入りの複数枚組、NANIWA EXPRESSや岩崎元是&WINDYのようなフュージョン・シティポップ系、角松敏生プロデュースのVOCALAND 2のような企画物、そしてJR東日本 山手線の車内&駅ホーム自動放送 完全オリジナル音源集のような、音楽以外の企画物が挙がります。廃盤になっていて、探しておられる方がいる、というものです。
ケースの日焼けや小傷は、それだけで対象外になることはありません。ケースは交換できるからです。
判断が分かれるのは、盤面の深い傷、ディスクの腐食、歌詞カードの欠落といった、中身の側の状態です。日焼けしているから駄目だろうと思われるものこそ、一度ご相談ください。