2026年9月19日、土曜日。広島市安佐南区へお伺いしました。実家の片付けに伴うご依頼です。
数日前にお電話をいただいておりました。その場で1点ずつ査定して、金額にご納得いただいてからお支払いまで完了しております。当店はこの進め方が基本です。
この日は、階段を上がったところで、音楽が変わりました。
1階は、クラシックでした
お伺いして、まず拝見したのがレコード約100枚です。
ジャズが少々、あとはほとんどクラシックでした。続いてクラシックのCDが約100枚。
そしてピアノとエレクトーンの楽譜が100冊以上ありました。
お話を伺うと、亡くなられたお母様が、ピアノの先生をされていたとのことでした。
それで揃い方に納得がいきました。レコードもCDも楽譜も、教える人の手元にあったものです。1枚ずつ好みで買い集めたというより、必要があって揃っていった並びに見えました。
楽譜は、買取できませんでした
ここは正直に書きます。
ピアノとエレクトーンの楽譜100冊以上は、状態があまり良くありませんでした。その場で「これは買取できません」とお伝えしております。
楽譜は、傷みやすいものです。理由ははっきりしています。
楽譜は、開いて使う本だからです。
譜面台に広げて、押さえて、めくる。鉛筆で指番号や注意書きを入れる。教える方であればなおさら、何人もの生徒さんと同じ譜面を開くことになります。本棚に立てて眺める本とは、扱われ方がまったく違います。
だから楽譜の傷みは、使われた証でもあります。それは分かっているのですが、古書としてお値段をお付けするとなると、話が別になります。
当店は、こういうときにその場でお伝えするようにしております。持ち帰ってから連絡するのではなく、見ているその場で。査定額が変わる理由について書いた記事もございますが、どこを見てそう判断したかもお伝えします。
「こんなの買えますか?」
1階を見終えたところで、2階に案内されました。
そこで出てきたのが、こちらです。
こんなの買えますか?
バンドスコアでした。
クラシックのレコードとCD、ピアノとエレクトーンの楽譜——そこまで拝見してきた流れで、2階に上がったらバンドスコアです。
お話を伺うと、こうでした。
私は昔バンドしてたんですよー
それで申し上げました。
音楽一家ですね。
一軒のお宅に、クラシックとロックが、階を分けて置いてありました。どちらかがどちらかに寄せられることもなく、1階と2階で別々に。
バンドスコア13冊の中身
お譲りいただいたのは13冊です。事務所に戻って背を並べてみました。冒頭の写真がそれです。
ストリート・スライダーズ 5冊
13冊のうち5冊がこれでした。いちばん多い。
JAG OUT(スコアハウス)
スライダー・ジョイント(スコアハウス)
夢遊病(スコアハウス)
NASTY CHILDREN(シンコー・ミュージック)
WRECKAGE+1(シンコー・ミュージック)
ひとつのバンドで5冊というのは、追いかけて買っておられたということだと思います。しかも出版社がスコアハウスとシンコー・ミュージックに分かれています。一度に揃えたのではなく、出るたびに買われたということでしょう。
X/X JAPAN 3冊
VANISHING VISION X(DOREMI)
X Jealousy(Extasy MUSIC)
X JAPAN ART OF LIFE(DOREMI)
『ART OF LIFE』の背には「Including GUITAR and BASS TABLATURE SCORE」と入っています。ギターとベースのタブ譜が付いている、という意味です。
LOUDNESS 2冊
LOUDNESS THE BAND SCORE(DOREMI)
撃剣霊化 LOUDNESS DISILLUSION(DOREMI)
麗蘭 1冊
こちらはバンドスコアではなくギター・スコアです(シンコー・ミュージック)。背に「ギター・スコア」と入っています。
プリンセス・プリンセス 1冊
LOVERS(シンコー・ミュージック)。
そして1冊だけ、雑誌が混じっていました
いちばん上に積んだ、灰色の細い背。
ROCK'N'ROLL RISKY VOL.1(株式会社CBS・ソニー出版)
これだけスコアではありません。雑誌の創刊号です。
スコアに混ざって創刊号が1冊だけ残っている——買った当時、手元に置いておこうと思われたのだと思います。ここは想像で語りませんが、13冊の中でこれだけ性格が違うことは、書いておきたいところでした。
スコアは「聴いた本」ではなく「弾いた本」です
バンドスコアを拝見していると、いつも思うことがあります。
これは、聴くための本ではありません。弾くための本です。
CDやレコードは聴けば終わりますが、スコアは開いて、譜面台に載せて、その通りに指を動かすためのものです。1曲弾けるようになるまで、同じページを何度も開くことになります。
そう考えると、1階の楽譜と2階のスコアは同じ性格の本でした。ジャンルはまったく違いますが、どちらも「弾くための紙」です。
お母様はピアノを教えるために楽譜を開き、2階ではストリート・スライダーズやXを弾くためにスコアを開いていた。
音楽一家ですね——そう申し上げたのは、そういうことでした。
「買取できないものもお引き取りします」とお伝えしたところ
査定が終わって、当店はいつものようにお伝えしました。
買取できないものも、ご希望であれば無料でお引き取りしますよ——と。
すると、こうお返事をいただきました。
大丈夫です
ご自宅は売却の予定で、残ったものの処分まで話がついているとのこと。だから買取できるものだけで構わない、と。
正直に申し上げますと、これは当店にとって珍しいお返事でした。
家を解体する、あるいは売却する——そうした場合に家の中を空にしなければならないというお話は、現場でよく伺います。遺品整理での買取の流れについて書いた記事でも触れておりますが、期限が決まっている片付けほど、残るものが負担になります。
だから当店は「残ったものもお引き取りします」とお伝えするのが普段の形です。無料引き取りをしている理由について書いた記事もございます。
ただ今回は、すでに段取りが済んでいらっしゃいました。
そうであれば、こちらが重ねる必要はありません。ご要望に沿う形で対応させていただきます。
ここは、はっきり書いておきます。売却や解体のときに残ったものがどうなるかは、契約によって違います。当店が「こういうものだ」と申し上げられることではありません。すでに決まっているのであればそれで結構ですし、決まっていないのであれば当店がお引き取りできます——どちらでも対応できる、ということだけお伝えしておきます。
よくあるご質問
バンドスコアや楽譜も買取してもらえますか?
お引き受けします。今回の広島市安佐南区のご依頼では、バンドスコア13冊をお譲りいただきました。ストリート・スライダーズ5冊、X/X JAPAN 3冊、LOUDNESS 2冊、麗蘭、プリンセス・プリンセス、そして雑誌『ROCK'N'ROLL RISKY』の創刊号です。ただし同じお宅にあったピアノとエレクトーンの楽譜100冊以上は、状態があまり良くなく買取できないことを正直にお伝えしております。楽譜は開いて使うもので、書き込みや傷みが出やすいものです。まずはそのまま拝見させてください。
レコードやCDもまとめて見てもらえますか?
お任せください。今回はクラシック中心のレコード約100枚とクラシックCD約100枚をお譲りいただきました。本と一緒にレコード・CD・DVDが出てくることはよくありますので、分けていただく必要はありません。お電話のときに「レコードもあります」と一言お伝えいただければ、こちらで準備してお伺いします。
家を売る予定です。残ったものの処分はもう決まっているのですが、買取だけお願いできますか?
できます。今回の広島市安佐南区のご依頼がまさにその形でした。当店から「買取できないものもご希望であれば無料でお引き取りします」とお伝えしたところ、ご自宅は売却の予定で残ったものの処分まで話がついているとのことで、買取できるものだけで構わないというお返事でした。当店としては残ったものをお引き取りするほうが普段の形ですが、すでに段取りが済んでいるのであれば、こちらが重ねる必要はありません。ご要望に沿う形で対応させていただきます。
状態が悪くて値段が付かないものは、その場で教えてもらえますか?
その場でお伝えします。今回もピアノとエレクトーンの楽譜100冊以上について、状態があまり良くないため買取できないことを現場でお伝えしました。持ち帰ってから連絡するのではなく、見ている場でお話しするようにしております。理由をお聞きになりたい場合は、どこを見てそう判断したかもお伝えします。黙って安く見積もることも、期待させておいて後で下げることも、どちらもいたしません。
まとめ
2026年9月19日、広島市安佐南区で実家の片付けに伴う出張買取。数日前にお電話をいただいておりました。
お譲りいただいたのはクラシック中心のレコード約100枚(ジャズ少々)、クラシックCD約100枚、そしてバンドスコア13冊。ピアノとエレクトーンの楽譜100冊以上は、状態があまり良くないため買取できないことをその場でお伝えしております。
亡くなられたお母様はピアノの先生。2階に案内されて「こんなの買えますか?」——出てきたのがバンドスコアで、「私は昔バンドしてたんですよー」と伺いました。
階段を上がったら、音楽が変わった——そんな一日でした。